
冬、自然界もじっとその寒さに耐えるように、冬は1年で最も肌の活性が低くなる季節です。活性が低下することで最初に自覚するのが肌のうるおい不足です。うるおいをたたえた肌には、エイジングの影も忍び寄りづらいもの。
「もともと乾燥肌だから」とあきらめないで、肌がうるおい不足に陥るメカニズムを探り、スキンケアや生活習慣に気をつけることで、今年の冬は乾燥に負けないすこやかな肌で過ごしたいものですね。

肌のうるおいを左右するのは、肌の最も表面に近い「角層」という部分。角層とは、肌の表面約0.02mm=食品用ラップ1枚程度の薄さの部分をさします。 角層の構造は、しばしばレンガとセメントに例えられます。レンガの部分=角層細胞、セメントの部分=細胞間脂質です。そしてレンガとセメントが交互に積み重なるように、細胞と細胞間脂質がミルフィーユのように積み重なったつくりになっているのです。
角層細胞の中には、タンパク質や、吸湿性の高いアミノ酸類や乳酸やミネラルなどで構成される【NMF(天然保湿因子)】という物質が詰まっていますが、これらの物質は、重さとして4倍程度の水を吸収する保水性を持ち、肌のうるおい保持に役立っています。
一方、【細胞間脂質】はセラミドやコレステロールなど脂質の集合体で、細胞と細胞の間を埋めて水分を逃さないように働いています。細胞間脂質が不足すると細胞の層はきれいに並ぶことができなくなり、キメが乱れて、くすんだ印象になりがちです。
しっとりとした肌には、この2つのうるおい成分がバランスよく含まれています。一方、乾燥した肌には、この2つの成分が不足気味です。
この2つのうるおい成分はどこからやってくるの?と疑問に思われる方も多いことでしょう。実は、肌自らが新陳代謝の過程で作り出しているものです。
冬の気温低下によって肌の血行が悪くなると、新陳代謝が滞ります。新陳代謝が滞るということは“うるおい成分をつくる工場”の稼働率が悪くなること。そのために肌が乾燥するのです。
さらに、冬の乾いた空気は肌の水分を取り去るため“弱り目にたたり目”という状態に。
一方、肌のうるおいを守る要素には「皮脂」「汗」もあります。皮脂や汗と聞くと、べたつきを連想してあまり良いイメージが湧かない方も多いかもしれませんが、うるおいのある肌に欠かせないものです。というのも、皮脂の構成成分の一部と汗は、肌表面で混ざり合って「皮脂膜」という天然の保湿クリームになり、肌からうるおいが逃げないようにカバーする役割があるからです。
しかし、冬場の発汗量は夏の56%、皮脂にいたっては夏の49%しか分泌されませんから、冬は皮脂膜ができづらく乾燥の原因になります。 夏場は保湿クリームを敬遠している人でも、冬になるとしっかり塗りたくなるのは、冬場分泌が少なくなる皮脂膜を知らず知らずに補おうとしているのでしょう。
このように、肌の活性が低下して乾燥しやすくなる冬ですが、ちょっとした工夫で、肌のうるおい力を助けることができます。
まずは血行をあげること。血流が活発になると新しい細胞をつくるために必要な栄養や酸素が行き渡り新陳代謝が活発に。それによって、NMFや細胞間脂質をつくりだす肌環境が整いやすくなります。 顔やデコルテであれば、洗顔後、簡単なマッサージを行い、血流を促す習慣をつけます。そしてバスタイムはシャワーで済まさず、湯船につかって全身の血行を活発にしましょう。 しかし、血流が活発になっても質の良い栄養を細胞に供給できなければ意味がありません。そこで、今回は細胞間脂質を増やす食品をご紹介しましょう。
まずは細胞間脂質の原料となる「コレステロール」を摂取することが必要。 コレステロールの過剰な摂取は生活習慣病の元ですが、適度に食することは美容と健康に必要なことなのです。そこで、コレステロールを多く含む卵を1日1個食べるようにしましょう。他に細胞間脂質を増やす食べ物としては、秋刀魚や鯖、イワシ、カツオなどに含まれるEPAやDHAなどが有効です。
次に意識的に汗をかきましょう。冬は外に出るのも億劫になり運動不足に陥りがちですが、身体を動かすと体温も上がるため、汗をかくと同時に毛穴のなかの皮脂も溶け出して、肌に天然のクリームをつくることができるのです。また、お鍋や、唐辛子を使った料理などで食事で汗をかく機会を得ることも効果的です。
現在では、【NMF】【細胞間脂質】【皮脂膜】を補うための化粧品成分も多く開発されています。これらを外側から肌に与えることで、冬場減少しがちな天然のうるおい成分を効果的に補給することができますので、配合成分を確かめて上手に活用していきましょう。
真珠貝の外套膜の部分から抽出したコラーゲン。肌の表面に薄くうるおいのヴェールをはることで、肌のうるおいを守る成分です。
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細胞間脂質類似成分を細胞膜構成成分で包んで微粒子化。
外側から肌に細胞間脂質類似成分を補うことで、肌から水分が逃げるのを防ぎます。
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